大学の新入生歓迎会で年下のチビ先輩に胸倉をつかまれた話

私は3浪の末に、どうしようもない私立の文系学部へ入ることになった。

国立の医学部を目指していた私からしたら、明らかに偏差値の低い、いや低すぎる大学だった。

いろいろ言いたいこともあるが、とどのつまり自分の力不足だったのだろう。

 

なぜ文系なのか? と思われるかも知れないが、そこは私なりの計算があって、医学部再受験の仮面浪人を想定してのことだった。*1

結局、入学後に仮面浪人を2年やり、留年もそれに応じて2回している。

 

 

だが最初から仮面浪人を予定していたわけではない。

入学後の流れ的に自然とそうなってしまったと言った方がいいかも知れない。

 

入学した段階から私は浮いていた。

周りはほとんどが現役や1浪の18、19歳の中で、すでに20歳になっていた私は明らかに異質な存在だった。

その浮き方は孤高とか一匹狼とかではなく、「場違いな奴」的な感じだったと思う。

 

私はそれで構わなかった。

そもそもその大学に染まるつもりなど毛頭なかったし、再受験をして国立の医学部へ行くのだから。

そんな風に考えていたのだ。

 

大学では高校時代の白石の一件に次ぐカルチャーショックをいくつか受けた。

まずは年下の先輩問題だ。

その大学では一学年上の2回生たちが新入生の歓迎オリエンテーションをやっていたのだが、その場で出会う「年下の先輩」たちからの上から目線が私にはストレスだった。

 

小・中・高・予備校と年下の人間からタメ口や上から目線で口を利かれたことなどなかった私にとって、それは心理的にかなりストレスだった。

 

新入生歓迎会で、ある年下の先輩*2が私の態度を「ふてぶてしくて生意気だ」と説教してきた。

それも隅に呼んでとかではなく、みんなの居るテーブル席で、だ。

 

おそらく彼は先輩の威厳みたいなものを新入生に見せつけようとでも思ったのだろう。

浅薄(あさはか)な男である。

身長は165cmほどのチビだったが、チビに限ってこういうことをする。*3

チビというのは、普段自分が他人から高圧的な態度を取られているコンプレックスから、こういう場では必要以上に場違いな高慢な態度を取る事が多い。

私はチビな男と下品な女がこの世で1番きらいだ。

 

おそらく周囲のみんな(新入生)も、そのチビ先輩に嫌悪感を抱いていたはずだ。

私はココ一番の見せ場だと思ったので、彼に対してタメ口で反論した。

「名前さえ書けば誰でも入れるような大学に先に入学したからといって先輩も何も無かろうに」

確か、そんなニュアンスの反論をしたと思う。

 

私とそのチビ先輩の半径1.5mほどの空気が凍りついた。

一呼吸置いてチビ先輩が声を荒げて私の胸ぐらをつかんできたが、そこで固まって動かなくなった。

殴ろうに殴れなかったのだろう。

所詮チビはチビ。

背も小さいが、気も小さいのだろう。*4

 

近くにいた他の先輩が我々の間に割って入ってその場は収まったが、私は内心「勝った!」と思った。

引き分けではなく私が勝ったのだ。*5

同じテーブルにいた同級生たちは、きっと私に対して一目置いてるに違いない。

「この人って、なんて勇気のある人なんだろう」って。

「言うべき事はキチンと言える人なんだなあ」って。

 

そんなエクスタシーに浸っていた私だったが、それは大きな勘違いだった。

その日を境に、同級生たちは私のことを避けるようになったのだ。

 

 

【追補】もう一つの私が受けたカルチャーショックが「女子大生たちの薄汚なさ」なのだが、これについては別記事にしよう。

3流男のバカさも相当なものだったが、3流女の薄汚なさは私にとって心底耐えがたいものであった。

彼女たちの卑しさや厭らしさを見るにつけ、高校時代の白石の一件が何度もフラッシュバックした。

*1:理系だと大学の講義や実習などが忙しくて仮面浪人をする時間的な余裕がないと思っていた。だが、結局は文系でも留年したのだから意味はなかったが。

*2:彼は現役入学の2回生だったので3浪の私より1学年下に相当する。

*3:私は173cmである。

*4:実は私もドキドキしていていたのだが、誰かが止めてくれるだろうと考えていた。

*5:そこで私が謝っていたら私の負けだったが謝らなかった。