所詮女は卑しい生き物で社会は矛盾だらけであることに気づいた高校生の私

春季宿泊訓練(修学旅行のこと)から帰って来ても私の心は乱れたままだった。

白石がH学園の男子生徒(その春からは医学部の大学生)と交際していたことが非常にショックだったのだ。

しかも自分から男子校のH学園へノコノコと声をかけられに行ったなんて・・・。

 

まだ彼女が同じ高校の先輩とつきあっていたのなら納得もしたろう。

だが、彼女は他所の、しかも格上の進学校の男子生徒を選んだのだ。

それが許せなかった。

 

所詮女というものは、そういう生き物なのか。

白石だけはそういう下卑たことをしないと信じていた私の純粋が踏みにじられた。

 

修学旅行の夜に座の中心になっていた情報屋によると、白石の相手男子の家は開業医だという。

春から国立の医学部へ進学するというのも跡取りだからというわけか。

 

確かに国立の医学部へ進学するからには優秀なのだろう。

だがしかし、それは所詮は親の経済力があったからではないのか。

H学園という私立のエリート進学校へ入れたのもそれ相応の教育費をかけてもらえたからだろう。

 

 

条件が違うのだ。

 

私が通っていた高校も県下No1の進学校ではあったが、それは公立高校という庶民の枠での位置づけにすぎない。

県外に目を向ければH学園のようなブルジョワたちの特殊エリアが存在する。

 

公立校と違って私立校には医者や弁護士、会社経営者といった経済的強者の子供たちが多数いる。

受験とは本人の頭の良さよりも親の経済力が大きくモノを言うのだ。

 

後々、司法試験や司法書士試験を通して、このことは嫌というほど味わうことになるのだが、それに先んじて私は社会の矛盾点や歪みを気づかされた。

 

白石の一件は、世間知らずだった私に女の卑しさと社会の矛盾点を教えてくれたのだ。